株式会社セコニック電子



[お話いただきました]
函館事業所長
泉 泰平 様

自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。

当社は無機ELを世界に先駆け量産化して34年となる専業メーカーです。当社の無機ELは、自社製の発光塗料や通電塗料と絶縁体となる 塗料を重ねて1枚のシートに印刷しており、発光や電極、絶縁の役割をもつ面が層となることで機能するものです。
こうしたフィルム状の電子部品を制作する高い技術を持つことで、自動車関連や通信機器分野で広く採用されております。

函館事業所は、無機ELについて、設計・開発から量産まで一貫して行える体制が整っており、お客様のニーズにお応えできる実績とノウハウ を持っていることが強みとなっております。
更に塗料関係については、原材料を購入して自社内でブレンドしてインク化、塗料化しておりますのでニーズに合わせて様々な調合が可能です。工場内はクリーンルームとなっており、より精度の高い作業が可能な点も強みとなっております。

無機ELを例に取りますと、発光材は砂状で、印刷に使用するためにはバインダーという繋ぎ材を使用します。この調合の段階からスクリーン印刷し乾燥までを一貫して行う設備となっておりますので量産に対応可能です。さらに印刷したものを形状加工する各種設備を持っております。最近ではアナログの計器パネル類が主な製品となっております。また自動車のエンブレムといった用途にも使われております。面白いところでは自転車の側面に付ける安全確認シートといったものなどニッチな利用が増えております。

函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか

商社さんに増えて欲しいです。部品の調達面、つながりや情報の収集。また販売面では商社さん経由でユーザー様への提案がされるといった流れが多いです。

電子部材関係を取り扱ってる商社さんですが、現在はすべて東京での取り引きになっており、納品先としても関東方面になっています。地元でのお取り引きは皆無の状況です。

函館地域へのご進出の決め手を教えてください。

無機ELは、製造工程で湿度を嫌うという性質が有りましたので、関東の工場が手狭になったことを契機に、気候風土を加味して函館を選択いたしました。また、函館市から熱心な誘致を受けたことも、臨空工業団地に事業所を開設する大きな決め手となりました。

函館地域に立地したことによりどんな効果がありましたか?

函館は観光地として浸透しているため、函館に工場があることを伝えたうえで、工場の視察を提案すると、快諾していただく事が多いです。仕事と観光がセットになるケースが多いように思います。

今後の展望について、お聞かせください。

無機ELについてはニッチな分野ということもあり、ほぼ競合が居ない状態となっておりまして、現在積極的な売り込み策を展開しているところです。これまでのようにニッチな分野での販売を進めつつ、今まで培ってきた技術や経験を活かせる、全く新たな分野への転用を模索しています。

※2020/2/18取材

ご紹介企業基本情報

社名
株式会社セコニック電子 函館事業所
所在地
[本社] 〒178-8686 東京都練馬区大泉学園町7-24-14
☎︎03-3978-2325 FAX:03-3989-2353
[函館事業所] 〒042-0958 北海道函館市鈴蘭丘町3-91
☎︎0138-32-3434 FAX:0138-32-3500
e-mail
hisao.wakui@sekonic.co.jp
URL
http://www.h-sekonic.co.jp/

会社概要

代表者名
代表取締役社長 山田 一寛
設立年月日
1986年2月1日
従業員数
156人(うち,正社員134人(うち函館事業所 11人))
資本金
14050万円

主要製品・サービス

[函館事業所] 無期EL素子(エレクトロルミネッセンス)
[福島事業所] ハーネス CCD監視カメラ

主要取引先

[函館事業所] 株式会社セコニック、シチズンTIC株式会社、日昌株式会社、日立オートモティブシステムズ株式会社、大阪布谷精機株式会社
[福島事業所] 株式会社セコニック、白河オリンパス株式会社、株式会社ニコン、株式会社デュプロ、株式会社タムロン、オリンパス株式会社

関連会社

[親会社] 株式会社セコニック(東京証券取引所第2部上場)
[他事業所] 福島事業所(福島県南会津郡)