[お話いただきました]
代表取締役社長
永井 英夫 様
自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。
当社は、公共ソリューション事業、医療ソリューション事業、産業ソリューション事業といった情報処理事業のほか、情報通信事業として、通信系・制御系のシステム及びソフトウェア・ファームウェア・ハードウェアの設計開発案件を受注する総合的な技術力が強みとなっております。
また、北海道内IT企業としては珍しく「耐圧防水樹脂システム」技術において特許も取得しております。そのほか、情報処理の国家資格取得者の在籍人数が北海道内のIT企業中最多であることも当社の強みとなっております。
現在、当社はシステム開発が主たる業務でありまして、情報処理分野では公共関連(地方自治体システム)、医療関連システム、一般企業のシステム全般を扱っております。また、情報通信分野は主にメーカーからの受託開発で、最近は5Gなどの開発系業務がメインとなっております。
また、当社は水産海洋プロジェクトという産学官連携の取り組みによる、深海でも電子機器類を正常に動作させる耐圧防水樹脂[ジェラフィン]の開発・販売を行っている他、気象データ解析システム「ウェザーバケット」、地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」の提供も行っております。
函館で事業をしているメリット・デメリットを教えていただけますか
当社は、北海道のIT企業としてはそれなりの知名度があるため、北海道内での人材確保には有利に働いていると思っています。現在、未来大の卒業生で60数名、函館高専も同じく60数名、室蘭工大が最も多くて70数名の採用社員がおりますので、函館に立地している大きなメリットと感じております。
デメリットとしては地元企業様からの大型受注が難しいことです。
公共のシステム開発なども現在は全国に展開し、業務規模が拡大した分、地元からの受注比率は下がっています。一般企業様では、水産加工業については本社機能が函館にあることから一定量の受注はありますが、今後増やしていくのは簡単ではありません。
函館地域の支援機関からのサポートに満足していますか
[ジェラフィン]開発の際には、工業技術センター様や函館地域産業振興財団様には開発当初からいろいろとご相談にのっていただきました。
また、試験には高額な機器が必要になるケースが多いので、工業技術センター様の機器をお借りするなど、いろいろとご協力いただきながら開発いたしました。
今後の展望について、お聞かせください
現状では全体の6割が管外の仕事であり、関東にも営業拠点を置いておりますが、「地域貢献」を企業理念とする当社としては、函館での雇用確保という姿勢を崩さぬよう、若干無理をしながら函館で業務を行なっている状況です。
そのような経緯から地元で完結出来る新規事業を考えており、[ジェラフィン]もその一つとなります。将来的な[ジェラフィン]の全国展開を見据え、函館で試作品を作り、全国の現場で試験を繰り返しながら、期待を持って計画を進めております。
函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか
パートナーとして協業できる企業様が増える事を歓迎します。ただ短期的な視野で仕事をする企業様よりも、長い目で見て地元雇用につながる企業様、例えば工場を持つ製造業といった分野での企業立地を進めるのが良いと考えます。
函館のブランドを活かせるような食品製造といった分野にターゲットを絞ったアプローチが必要なのではないでしょうか。
※2020/2/18取材
ご紹介企業基本情報
- 社名
- 株式会社エスイーシー
- 所在地
- 〒040-8632 北海道函館市末広町22番1号
☎︎0138-22-7188 - URL
- https://www.secnet.co.jp/
会社概要
- 代表者名
- 代表取締役社長 永井 英夫
- 設立年月日
- 1969年(昭和44年) 10月
- 従業員数
- 539名(男性441名・女性98名)令和元年10月現在
- 資本金
- 4,000万円
主要製品・サービス
●公共ソリューション事業●医療ソリューション事業●産業ソリューション事業
[自社製品]
●多機能気象観測システム●地域医療連携ネットワーク●μITRON向けUPnP開発キット
主要取引先
函館市および北海道地域の各市町村、諸官庁・病院・医療機関、民間企業
日本電気(株)、日本電気グループ各社