[お話いただきました]
執行役員開発設計部門担当
中島 孝浩 様
自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。
当社は、食品業界を中心とした異物検査装置のメーカーです。金属、石、ガラス・樹脂などの異物混入検出、ピンホールやシール不良検出から、破砕機等の設備機械の破損防止など多種多様なニーズに対応したオーダーメイドが可能です。60年以上の実績に基づく現場のノウハウの蓄積がありますので、工場内のスペースに制約があったり、稼働中のベルトコンベアの幅に合わせるなど、お客様の要望にきめ細かく対応し、企画、設計・開発、生産、販売、メンテナンスをワンストップで、スピーディーかつ安定して提供できます。
検査装置は金属検出機とX線検査機とに大別されますが、八王子工場は金属検出機を担当し、こちら函館ではX線検査機(画像系)を担当しています。お客様サイドではより精度の高いものを常に希望されていて、当社はそれに応えようと、更なる技術の向上を目指すといった循環があります。そのような中で画像系検査がこれからますます進化していく可能性はより高いものと考えております。
函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか
函館近隣に、精密板金加工業者様があればと思います。現在市内の加工業者様数社とお取引させていただいておりますが、現状でギリギリ間に合っているといったところであり、複数台の受注が入ると市内企業様だけでは対応できませんので、市外企業様にもお手伝いいただいているといった状況です。
また、画像処理系のソフト開発を委託できる業者様とのお取引も検討しております。
函館地域で事業を行う上でのメリット・デメリットを教えてください
メリットとしては、畜産・水産食料品製造と農業が盛んな北海道・北東北地区のX線異物検査装置と画像検査装置を中心とした検査装置の製造・メンテナンスの拠点ができたことです。市内周辺の優秀な技術者を採用できております。
デメリットとしては、首都圏のお客様ですと、航空機や新幹線等東京から函館へのアクセスが充実しているため函館事業所に来ていただく機会が非常に多いのですが、東京地区以外のお客様・協力業者様に函館に来て頂く機会が少なく、東京八王子工場での製品立ち合い等を希望されることが多くなるため、担当技術者の出張などのコストが上がる事です。
今後の展望について、お聞かせください
X線検査機の海外展開としましては、東アジア方面への輸出はありますが、ヨーロッパ方面となると国内とは別な基準があり、現在は、海外事業部を持つグループ会社が担当しています。今後は、新たな基準にも対応しながら、ヨーロッパはじめ北米などにも販路を拡げていければと考えております。
技術面ですと、食品検査分野にニーズの高い「異物混入の検査」「品質の検査」などは、画像検査機の可能性が期待されます。近赤外ハイパースペクトラカメラを用いて、スペクトルの反射と吸収を解析した新たな異物検査技術の開発なども行っているところですが、更に技術向上が求められること、スピード感を以った展開力が必要なため、製造台数増とともに、特にソフト開発者と電気設計者の人材確保を強化していく予定でおります。
※2020/2/18取材
ご紹介企業基本情報
- 社名
- 日新電子工業株式会社
- 所在地
- [本社]〒101-0032東京都千代田区岩本町2-1-18 フォロ・エム8F
☎03-5833-1080 FAX:03-5833-1081
[函館工場]〒041-0834函館市東山町167-141
☎0138-53-6966 FAX:0138-53-6981 - t.nakashima@nissin-elc.co.jp
- URL
- http://www.nissin-elc.co.jp/
会社概要
- 代表者名
- 代表取締役社長 野田 幸平
- 設立年月日
- 1944年4月6日
- 従業員数
- 164人(うち,正社員 145人(うち函館事業所 12人))
- 資本金
- 3,000万円
主要製品・サービス
- 金属検出機・検針機
- ウェイトチェッカー
- X線異物検査装置
- ピンホールチェッカ
- 光学式検査装置
主要取引先
・食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、繊維工業、パルプ・紙・紙加工品製造業、
化学工業、プラスチック・ゴム・ガラス・セメント製造業、鉄鋼業、農業、電気業、
廃棄物処理業
関連会社
グループ会社:株式会社イシダ