[お話いただきました]
代表取締役社長
漆嵜 照政 様
自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。
当社メデックは、グループ企業内で設計・製造から販売までを一貫して行う複合エンジニアリング企業です。事業内容としては各種省力機械の開発、精密機械加工、ロボットシステムの設計、アプリケーションソフトの開発、機械器具販売となります。
中でも、自社開発の「IC挿抜機」は1時間当たりの処理数で、他社の2割増となる国内最速を実現。その技術により令和2年度の特許庁長官賞を受賞しました。さらに多品種に手軽に対応するための交換キットを安価で提供するなど国内外の半導体・電子機器メーカーのニーズにきめ細かに対応することで、国内シェア80%を獲得しています。
また現在、各種省力機械にロボット制御技術を連携させた、ロボットシステム製品の開発・販売も進めております。
当社が持つ技術力・開発力は、顧客企業様のニーズに磨かれています。国内の電子・電機、自動車関連メーカーを始め、食品メーカーなど約100社にのぼる企業様の、あらゆるニーズを徹底的に現場で把握することで、オーダーメイド(一品物)機械の作製から、自動車の製造ラインまで様々な要求に対応します。
また海外展開のために社内で「多職業技術者」を積極的に養成。語学能力はもとより、設計(機械設計、制御ソフト設計、画像技術)、営業、ラインビルドに及ぶマルチな業務に対応可能な技術者として、海外展開業務を担わせることでアメリカ・中国・マレーシアを中心とした海外への売上を伸ばしています。
函館で事業をしているメリット・デメリットを教えていただけますか
函館には実業系の教育機関が揃い、特に道南圏では唯一の理工系高等教育機関である国立高等専門学校があります。この学校の新卒生、Uターン生には、当社のような技術系企業にとって理想の人材がいます。実際、当社グループ内のスタッフも40%が国立高等専門学校出身者となっています。
あとは自然災害が少ないという、BCP対策(事業継続計画)での優位性ですね。
漆嵜社長は、函館ものづくり産業アンバサダーとしてご尽力いただいておりますが感想などあればお聞かせください
函館は、観光や水産食品での知名度は高いですが、残念ながら「ものづくり」の印象は薄い。本州の企業様からすると、北海道への進出はイコール札幌周辺です。函館が候補地になるためには、まだまだアピール不足だと感じます。
昨年は、上川大雪酒造(株)様の酒蔵の誘致が決まりました。日本酒の醸造研究に取り組んできた函館高専との連携事業であり、当社も函館高専地域連携協力会※という立場で関わりました。できれば今後も、こうした裾野の広いものづくり企業が、函館に出て来てくれることを願っています。
- ※函館高専地域連携協力会とは
- 「函館高専の取り組む活動を支援していくとともに、地域連携事業の促進を図り、地域社会の発展に寄与することを目的に設立された産学連会組織」
今後の展望について、お聞かせください
ロボット技術を各種加工装置と組み合わせて、更なる無人化を実現します。装置技術に精通した当社で、ロボットシステムの設計から装置の組み立て・設置まで一貫して対応致します。
ですからお客様のニーズに応じて最適化したロボットシステムの構築が可能です。またロボットの安全な運用に欠かせない利用技術者の指導資格の取得など、サポート充実も図っておりますので、安心してお任せいただけます。
※2021/1/26取材
ご紹介企業基本情報
- 社名
- 株式会社メデック
- 所在地
- 〒042-0958 函館市鈴蘭丘町3-133
☎︎0138-52-9775
FAX 0138-52-9637 - URL
- http://www.medec-ltd.co.jp/
会社概要
- 代表者名
- 代表取締役 漆嵜 照政
- 設立年月日
- 1989年(平成元年) 1月
- 従業員数
- グループ240名(内函館190名)
- 資本金
- 2,310万円
主要製品・サービス
●自動機設計製作●精密機械加工●精密機械加工部品●機械器具販売●ロボットシステム設計
[自社製品]
●IC挿抜機(国内最速機)●レザーマーク機 他
主要取引先
(株)デンソー、エプソン(株)、(株)ディスコ、ルネサスエレクトロニクス(株)、(株)アムコーテクノロジー、(株)アドバンテスト、(株)ダイナックス 他
関連会社
●(株)プロメック(精密加工部品製造)
●(有)CAMセンター(NCデータ作成)