[お話いただきました]
函館事業所
小島 満 様
自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。
当社は、自動車産業が集積する愛知県で長年にわたり金型作りを続ける、松江鉄工所から独立分社化した自動車部品用金型の精密加工を得意とするメーカーとなります。なかでも放電加工とワイヤー加工が得意分野で、プレス型パンチ製作などを主要業務としております。
現在はCAD/CAMの高度化で、依頼先から設計の基本データを渡され、マシニングセンタなどの機械設備が同じであれば 加工の技術面で優位性を保つことは大変難しく、違いが出せるのは製造工程についての実績とノウハウとなります。ですから当社にとっての強みとしては実績の部分で、最終的には生成加工品についての精度の違いとなって現れます。例えば当社が得意とするプレス型パンチでの精度は1/100mm 程度。紙の厚さが0.1mmですから、さらにその1/10と、透けて見えるレベルの違いです。
それでも、こうした違いは、三次元測定器を利用した計測検査では数値の差として現れますので、機械のオペレーティングといえども技術者としての経験が活きる部分となります。さらに当社には設備構成の違う苫小牧工場も稼働しており、互いの設備を補完することで、より広い業務依頼にお応えできる体制が整っています。
函館地域の支援機関からのサポートに満足していますか
当社は、日頃から工業技術センターのサポートなどをいただいています。検査機器の利用頻度も高いですし、「この材質はなんでしょう」という相談まで出来ますので、皆さんも、もっと活用するべきだと思います。
また振興財団には、設備への補助金も沢山用意されていますので、積極的に利用して自社の生産性を上げるよう活用してはいかがでしょうか。
函館地域で事業を行う上でのメリット・デメリットを教えてください。
函館高専や北海道立工業技術センターなど技術力に特化した教育機関・産業支援機関があり、何かと相談し合える人脈が築けたことが最大のメリットです。
ただ、函館高専の出身者も卒業後は一旦函館を離れる人が多く、親御さんの関係でUターンで戻って来た方というのも多いという印象があります。
高い技術力も持つ個人事業者の方はいても会社を拡大する意識が低かったり、業者間で仕事を融通し合うような連携が足りないのではないかという話はよく出ています。工業系の仕事環境として函館はクラスターの形成ができていないのがデメリットでしょうか。
今後の展望について、お聞かせください。
道内の仕事を大いに増やしたい気持ちは強くありますが、制作現場としてはデータ化が進んだことや流通網が発達したおかげで見積もり段階での参加者が増える一方で非常に苦労しております。
一方で、新幹線の開通で東北方面だと盛岡まで1時間ちょっと仙台、宮城でも2時間弱で行けるようになりました。室蘭で2時間半、札幌方面なら4時間と掛かる時間は同じですから、未開拓なエリアとして東北方面に営業に出向く事も考える時期かと思っています。
函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか
パートナーになり得る企業さんには増えて欲しいですね。
当社では”丸もの”と呼ばれる旋盤加工はやっていないので近場での外注となっていて仕事の確保を増やすためにも、そうした企業さんが増えてくれると助かります。
※2020/2/18取材
ご紹介企業基本情報
- 社名
- 松江エンジニアリング株式会社
- 所在地
- 〒041-1133 七飯町中島1-20
☎︎0138-65-6430 FAX:0138-65-6430 - kojima@matsue.ecnet.jp
会社概要
- 代表者名
- 代表取締役社長 犬塚 富雄
- 設立年月日
- 1983年10月18日
- 従業員数
- 25 人(正社員 22 人 函館事業所 15 人)
- 資本金
- 1,000万円
主要製品・サービス
- 樹脂型の部品加工
- プレス型ダイス、パンチ製作
- ダイカスト型部品加工
主要取引先
松江鉄工所、トヨタ自動車北海道、アイシン北海道、その他大手メーカー
関連会社
松江鉄工所