[お話いただきました]
代表取締役社長
村上 眞二 様
自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。
当社は、ショットブラスト業界最大手のニホンケミカル(本社:広島県)とメタルワン(本社:東京都)の合弁会社として、2009年函館に設立した造船会社向け中心の金属表面処理専門企業です。
このような業態の会社は北海道・東北エリアには全くありませんでしたので、北海道・東北のお客様から発注を受けた際には、浦安の工場から供給しておりました。
函館に拠点を構えた現在では、造船メーカーである函館どつく構内に工場を構えることにより、鉄鋼メーカーからの鋼材運搬船が直岸できる岸壁を持つ強みを生かし、主要顧客である函館どつく様をはじめ、北海道・東北のお客様への物流効率化によるコストダウン、鋼材の下地処理塗装の品質向上に寄与しております。
また当社ではお客様からいただいた造船・橋梁などの図面を基に、ロボットにより罫書・切断し、お客様は部品を組み立てるだけの状態での納品を可能とするシステムを構築しており、こうしたシステムは全国でも少なく、当社の強みであると考えております。
さらに、当社では工場内を高速通信ネットワーク化したリアルタイム生産管理システムを、全国に先駆けて導入しました。これにより完全なトレーサビリティーが可能となり、誤出荷を防止していることも当社の強みとなっております。
函館地域へのご進出の決め手を教えてください
函館どつく様が有ることが最大の理由ではありますが、北海道の入り口に位置し、港湾設備がしっかりしていて鋼材船が直岸出来る場所に工場を建設出来る事が決め手となりました。
さらに、函館市の企業誘致担当者に大変熱心にご対応頂き、助成面などでも継続的に助けられたことも決め手のひとつです。
結果、会社設立目的である、既存の北海道・東北エリアのユーザー企業ヘ、コストダウンの提供を果たすと共に、主要顧客である函館どつく様へは品質向上・コストダウン・納期短縮の提供が可能となりました。
函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか
鉄鋼材の成形加工、溶接ができる工場など鉄鋼関係の企業様に増えて欲しいです。
当社で鋼材の表面処理と、図面通りのカットはできますので、その先の溶接ができる企業が増えれば、ものづくり企業様も進出し易い地域となると思います。
現在、函館地域には鉄鋼関係の業者が少なく、立地しても全ての工程を自社で完結しなければならないため、立地のハードルが高くなっていると思います。
協業できる企業が増え、クラスターを形成できれば、更に進出しやすい地域になると思います。
函館地域に立地したことによりどんな効果がありましたか?
親会社(ニホンケミカル)にとっても函館に会社設立・工場を建設したことにより、今までなかった北海道内の仕事の受注に繋がりました。
設立当初の目的であった、北海道・東北エリアのお客様へのコストダウン・納期短縮の提供が実現しただけではなく、相乗効果として、関東エリアの既存のお客様へのコストダウン・納期短縮の提供も実現しております。
今後の展望について、お聞かせください。
事業継続、安定収益化に向けて更なる付加価値向上・深化に努めるのみです。
現在の環境においては、後工程が可能な企業様との協業で新たな受注が可能になると思っています。
当社と協業可能な企業様が函館地域に進出するために、自社で可能な取り組みとして、本社(広島)・浦安(千葉)エリアの鉄鋼団地に立地している企業様に函館視察をお願し、先ずは観光メインでも来ていただき、函館を知ってもらうことが将来的な函館進出のきっかけになると考え、現在働きかけているところです。
※2020/2/18取材
ご紹介企業基本情報
- 社名
- 株式会社 函館スチールセンター
- 所在地
- 〒040-8605 北海道函館市弁天町20-3(函館どつく構内)
☎︎0138-22-5555 FAX:0138-84-6642 - URL
- http://www.hakodate-sc.co.jp/
会社概要
- 代表者名
- 代表取締役社長 村上 眞二
- 設立年月日
- 平成21年5月20日
- 従業員数
- 13名
- 資本金
- 5,000万円
主要製品・サービス
- 鋼材のショットブラスト・プライマー加工業務
- 鋼材の荷役(水切、払出)、仕分、保管業務
- その他加工業務
関連会社
株式会社 ニホンケミカル
株式会社 メタルワン